芸能人の結婚、不倫、犯罪などのゴシップや、学校や会社で誰かの噂話。
私たちは時に過激なほどに、こうした情報を追いかけてしまいがちです。
ゴシップは一見無害に見えますが、実は私たちの時間とエネルギーを奪い取る大きな要因となっています。
本記事では、そんな不毛なゴシップから解放されるためのマインドセットをご紹介します。
ゴシップが大好きな私たち
常に無関係な芸能人に怒っている人
私たち人間は、ゴシップを追いかけたり、噂話をしてしまう傾向が強くあります。
わかりやすいものでは、芸能人の結婚や不倫といったニュース、学校や会社での誰かのネタなどがありますよね。
特に芸能ゴシップは過激で、各メディアもよく大見出しで結婚や不倫を報じ、それに呼応するように大衆は話題に取り上げます。
筆者も少し前にネットで、「私が小さいころ、母は常に芸能人に対して怒っていた」というある方の書き込みを見かけました。
芸能人の不倫など多くの人にとって一切関係無いのに、そうしたニュースを見て勝手に「けしからん」と怒り出す人がいるのです。
”自分に無関係な情報を知って怒り出す”。この事実だけ見れば知らない方がいいのは明白なのに、なぜ私たちはゴシップを追いかけてしまうのでしょうか。
なぜこんなにゴシップや噂話が好きなのか
私たちがゴシップや噂話が好きな理由は、人間の進化に由来するとも言われています。
ひと昔前には、人はほぼ必ずどこかの社会集団に属していて、その中では集団に属する他人の情報を把握することが生存につながる重要なスキルでした。
つまり、ゴシップや噂話といった情報の共有は、自分の命の安全性を高めるのに役立っていたのです。
危険を回避し、信頼できる仲間を見極めるためには、他人の行動や性格を知る必要がありました。
しかし現代社会では、こうしたゴシップを追う必要性は大幅に減少しています。
社会全体やテクノロジーの発展によって、命の安全性はもちろん、一人でも生きていくことすらできるからです。
それでも今なお私たちが噂話に引き込まれるのは、脳が未だにゴシップや噂話を自分の報酬として認識していて、ゴシップを聞いたり話したりすると、脳内ではドーパミンを放出し興奮状態になるようです。
ゴシップや噂話は、人生で最も無駄な時間の一つ
前述のように、現代ではゴシップや噂話に費やす時間は、実質的な価値をほとんど生み出しません。
話題の芸能人の私生活があなたの人生に影響を与えることも、職場での噂話が生産性向上につながることはほとんどなく、ゴシップを知ることは害にすらなりえます。
つまりゴシップを追いかけたり不要な噂話に興じることは、人生で最も無駄な時間の一つです。
しかし残念ながら、脳がそれを知ることに喜びを覚えてしまっている以上、ゴシップや噂話を100%無視することは不可能と言ってもいいでしょう。
だとすれば知能を有する生物として、意識的かつ戦略的にこうした情報を避けるしかありません。
ゴシップや噂話を避ける方法
ゴシップや噂話を避けることは、害になりうる情報を排除し、建設的で有益な情報に触れるための第一歩です。
脳がゴシップを求めるなら、私たちは具体的な戦略で抵抗していきましょう。
方法①:情報元の取捨選択をする
あなたが日常的に脳にインプットする情報元はどれだけあるでしょうか。
XやInstagramなどのSNS、ネットの情報メディア、新聞、テレビなど、様々あると思います。
それらの内、ゴシップなどが入ってきやすい情報元を特定し、フィルタしましょう。
具体的な方法は以下です。
- 自分の一日を観察し、脳にインプットされる情報元をリスト化する
- そのリストの中から、ゴシップ情報が多いもの、紛れているものを特定する
- 特定した情報元から、ゴシップ情報をフィルタする
例)・Xでゴシップ情報を流すアカウントをフォロー解除やミュートする
・ゴシップ情報を掲載するネットメディアの購読を辞め、信頼性の高いメディアを選ぶ
情報元の中でも、なんとなく見てしまうようなもの、特にテレビのお昼ニュース番組などは注意が必要です。
そもそもゴシップをネタにすることが多いメディアは見ること自体を辞め、より良質な情報が得られるメディアを探すといいでしょう。
方法②:話題を変える練習をする
こちらは学校や職場で、誰かの噂話が始まったシチュエーションです。
誰かの噂話が始まったと気付いたら、他の話題に切り替える努力をしてみてください。
本や映画、最近の趣味など、より建設的で楽しくなる話題を用意しておくとスムーズに進められます。
芸能ゴシップに比べると、身近な噂話はよりリアリティがあって、自分に無関係とも限らないためつい乗ってしまいたくなるかもしれません。
ここではあくまでも、噂話をしてしまっていると察知することが大切です。
なので話題を切り替えられなかったとしても、話を長引かせないようにしたり、取るに足らないことと認識してさっさと忘れることができるでしょう。
方法③:趣味や自己投資をする
極論、ゴシップや噂話に興じる人は、”暇”なことが多いです。
暇だからSNSを見る、暇だからテレビを見る。
そうしたメディア媒体から情報を浴びる時間が多ければ、当然ゴシップを見る可能性は上がり、脳が勝手に反応してしまいます。
SNSやテレビを趣味ということもできますが、できればより能動的な趣味や、自己投資の時間を持つ方が健全ではないでしょうか。
趣味なら音楽やアウトドア、読書、ゲームも良いでしょう。
勉強や副業などの自己投資の時間を持つのも有意義です。
まずは受動的に情報を浴びる時間を徐々に減らし、能動的な自分の時間を増やせるよう少しずつ調整してみましょう。
さいごに
ゴシップに費やす時間は、少しづつ精神を蝕み、一利も無いと言っていいでしょう。
しかし私たちが人間で、本能がそれを求める以上、完全に解脱することは難しいのが事実です。
理性を持ってそうした時間を減らし、より楽しく満足感の高い自分時間を過ごすことが大切です。
まずは小さな一歩として、本稿で紹介した方法を少しずつでいいので試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
人生の質が必ず向上するはずです。