「新しい習慣を身につけたいけど、なかなか続かない…」
そんな経験、誰しもあるのではないでしょうか。
全人類が経験するこの悩み。
きっとスティーブ・ジョブズやイーロン・マスクですらそんな過去もあったに違いありません。
そんな”習慣化失敗”の最大の理由は、始めるまでのハードルが高すぎることにあります。
この記事では、行動科学に基づいた確実な習慣化の方法をご紹介します。
なぜ習慣化は失敗するのか?
意志力だけでは続かない理由
多くの人は「やる気」や「意志力」で習慣を定着させようとします。
誰しも覚えがあるのではないでしょうか。
しかし、意志力だけでは以下の3つの大きな落とし穴にハマり、習慣化は失敗に終わる可能性が高まります。
- 意志力は有限なリソース
- 疲れている時ほど誘惑に弱くなる
- 環境の影響を受けやすい
習慣化失敗の3大原因
さらに、意志力が強まっているときですら実行ができないことも大いにあるでしょう。
その3大原因がこちら。
- 始めるまでの手順が多すぎる。その手順がそもそも面倒。
- 準備に時間がかかりすぎる。準備時間で気持ちも萎えてしまう。
- 実行のタイミングが不明確。そもそもいつ取り掛かればいいのか?
習慣化には、意志力だけでなくそれ以外にも倒すべき敵が多すぎる。
これが習慣化が失敗に終わることが多い理由となります。
しかし、私たちにはそんな敵を蹴散らす術があります。
「5秒ルール」で習慣化を成功させる
5秒ルールとは?
習慣化の極意はズバリ「5秒ルール」です。
これは新しい習慣に着手するまでの時間を5秒以内に抑えることで、行動の実行確率を劇的に高める方法です。
この方法は行動心理学の研究でも、その効果が実証されています。
なぜ5秒なのか?
なぜ「5秒以内の着手」が重要なのか。その理由があります。
- 人間の意思決定の多くは5秒以内に行われる
- 考える時間が長すぎると、言い訳や逃げ道を探してしまう
- 5秒以内なら「とりあえずやってみよう」という気持ちになりやすい
つまりやろうと思ってから5秒以内に着手できる状態は、判断を下しやすく、やらない理由を探す時間もありません。
具体的な”5秒”習慣化テクニック
では具体的にいくつかのケースを例に、「5秒以内に着手できる」とはどんな状態かを見てみましょう。
ケース1.楽器の練習をする場合
×失敗しやすい例(5秒以内に着手できない)
- 楽器をケースにしまって保管している
- 練習場所を確保してから始める
- 譜面台の展開・設置が必要
○習慣化しやすい例(5秒以内に着手できる)
- ギタースタンドにギターを立て、すぐに手に取れる
- リビングで常に手の届く場所に置いておく
- 譜面台は片付けず隅に置き、片手で移動するだけでいい
ケース2.読書習慣をつける場合
×失敗しやすい例(5秒以内に着手できない)
- 本棚にしまって保管している
- 読みたい本を探す時間が必要
- 読書するための場所や環境を決めておく
○習慣化しやすい例(5秒以内に着手できる)
- 今読んでいる本を枕元に置く
- 電子書籍やアプリを活用。可能なら複数台持ち、あらゆる場所に置く
- 通勤カバンに入れておく
ケース3.ジムでの運動習慣を定着させる場合
こちらは足取りをジムに向けさえすればいいので、”ジムに向かうまでの始動”を5秒以内にします。
×失敗しやすい例(5秒以内に着手できない)
- ジムのためだけに外出する必要がある
- 家から少し距離があり、自転車や車で行く必要がある
- 着替えや準備に時間がかかる
○習慣化しやすい例(5秒以内に着手できる)
- 通勤や通学の経路上、絶対に通るジムを選ぶ
- 可能なら自宅から徒歩5分以内のジムを選び、自転車にすら乗らずに行ける
- 運動着を着て寝る。または前日に着替えセットを鞄に詰めておく
いかがでしょう。
5秒以内に着手できる状態がどんなものか、大体イメージが掴めたのではないでしょうか。
こうした工夫はあらゆる習慣化に対して可能なはずです。
取り掛かるまでの障壁を極限まで減らし、5秒以内を目標に組み立ててみてください。
環境デザインの重要性
実際に「5秒ルール」を実現しようと思うと、いかに環境を作り込んでおくことが重要かがわかります。
習慣化したい事柄によって、どうやって5秒ルールの環境作りをするかは異なりますが、抑えるべきポイントは以下の通りです。
物理的な環境作り
空間的アクセス
- 必要なものを目に見える場所、手の届く範囲に配置
- 生活における導線を考慮し、最小限の移動で開始できる
- 準備時間の最小化
障害物の排除
- 不要なものを片付け、気を散らすものを減らす
- 邪魔になるものはないかを検討し、場合よっては家具の配置を変更
時間的な環境作り
トリガーの設定
- 既存の習慣に紐付ける(○○をやった後にこれをやる。など)
- 具体的な時間、頻度を設定する
- アラームやリマインダーの活用
準備の前倒し
- 必要な道具を前もって揃えたり、並べておく
- 着替えや持ち出し物が必要なら、前日に準備しておく
さらに上記に加え、“自分の性格”の考慮も重要です
何が一番自分を習慣化から遠ざけているかを分析し、その障害を排除してあげましょう。
そうすれば必ずや自分に合った5秒ルールを作り上げられるはずです。
つまずきやすいポイントと対策
どんなに5秒以内に着手できる5秒ルールの環境を作り上げても、時には継続が難しい場面もあるでしょう。
もしかしたら、そもそもの習慣化したい事柄自体が高難易度であったり、自分への期待が大きすぎるのかもしれません。
ここでは5秒ルールに加えて、さらに習慣化を成功させるためのポイントを抑えておきましょう。
モチベーション依存からの脱却
- モチベーションは一切当てにせず、”環境デザイン”を最優先にする
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 「やる・やらない」の判断機会を減らし、機械的に着手可能にする
完璧主義への対処
- 5分でもやったらOKというルール作り
- 「やる」よりも「とりあえず始める」を重視する
- 習慣化フェーズにおいては結果を度外視し、継続を評価する
忙しさへの対応
- 隙間時間の活用を検討する
- 優先順位を明確化し、その習慣化のために何を捨てられるか検討する
どんなに5秒ルールの環境作りをして習慣化に失敗しても、一切自分を責める必要はありません。
すべては”環境”に原因があります。”環境”が100%です。
5秒ルールでも継続を妨げる原因が、どこかにあるはずです。
その原因を特定し、一つずつ取り除くこと。それが習慣化を成功させる唯一の手段だと思いましょう。
さいごに
いかがでしょうか。
繰り返しになりますが、新しい習慣を始めるとき、最も重要なのは「始めやすさ」です。
行動を始めるまでの時間を5秒以内に抑えることで、習慣化の成功率は劇的に向上します。
まずは自分が取り組みたい習慣について、「5秒以内に始められる環境」を整えることから始めてみましょう。
しかし最後に添えておきたいのは、それでも私たちは失敗するかもしれないということです。
ロボットじゃないので当然です。ダメだと思う必要はなく、挑戦したことを誇りましょう。
そうすればきっとまた挑戦ができるし、改善も積み重ねていけるでしょう。
そしていずれ小さな工夫の積み重ねが、大きな変化を生み出すのです。
この記事があなたの役に立てば幸いです。