InstagramやX(旧Twitter)をはじめとするSNS。
こうしたSNSサービスは今や私たちの生活に深く馴染み、友人とのコミュニケーションや情報収集のツールの手段としても優れた機能を提供してくれます。
その一方でSNS依存は今やその危険性が重視され、精神的に負荷をかける負の側面を持っていることも共通認識となってきました。
そこでここでは、SNSを完全に辞めるのではなく、適切な距離を保ちながら活用する方法、”アプリを消してブラウザから見る”を推奨します。
SNSがもたらす影響
ティーンエイジャーの幸福度は過去最低
近年の研究では、SNSの過剰な利用がティーンエイジャーの幸福度を著しく低下させることが指摘されています。
特に自分や周囲への関心が高まる思春期に過剰なSNS利用をすると、承認欲求や他者との比較に悩まされ、精神的なストレスを引き起こしてしまいます。
こうした問題の深刻さを受け、現にオーストラリアでは2025年末から16歳未満のSNS利用を禁止する法案が世界で初めて可決されました。
精神的なストレスはティーンエイジャーだけでなく、当然大人にも及びます。
一部のSNSには過激なコンテンツも溢れ、そうした情報へのアクセスも精神にネガティブインパクトを与えるかもしれません。
何度も見続ける、完璧な設計
SNSの設計は素晴らしいです。
というのも、SNSは人々がそれを繰り返し何度も、かつ長時間見続けるために最適化されているからです。
この世の優れた英知が集まって、人間の心理や行動を徹底的に研究し、改良に改良を重ねて「やめられない仕組み」を作り上げました。
それを見る人の頭の良さも意志の強さも関係なく、誰でもそれを見てしまうように完璧に設計されたデザインやシステム。
「いいね」や「おススメの投稿」、さらには「スクロール時の”音”」まで、全てがスマホで人々の時間を奪うよう設計されていて、美しさすら感じます。
SNSから少し距離を取る方法
SNSには負の側面もありますが、適切に活用すれば便利なツールであることも事実です。
SNSを完全に断つのも良いですが、それは現実的ではないと考える方も多いでしょう。
そこでここでは完全に辞めるのではなく、”少し距離を取る“ための具体的な方法の紹介です。
アプリを消して、ブラウザで見る
スマホからSNSの専用アプリを消しましょう。
これだけでSNSを見る頻度はかなり減るはずです。
アプリが無いので、見たいときにはSafariやChromeなどのスマホのWebブラウザから閲覧します。
具体的な手法は次の通りです。
SNSと距離を取る方法
- スマホからSNSアプリを消す
- SNSを見たいときはWebブラウザから見る(Safari、Google Chromeなど)
- Webブラウザでの閲覧時、SNSサイトをブックマークせず、わざわざ検索して見るようにする(例:”Instagram”と毎回検索してサイトに行く)
- 見るたびに毎回ログイン、ログアウトをする
- スマホにログイン情報を保存させず、IDとパスワードを毎回打つ
※1,2だけでも効果大。3,4,5はできればでOK。
ポイントは、SNSを見るための障壁をできるだけ増やすことです。
SNSアプリがあるとワンタップで閲覧可能な状態にできてしまいますが、この状況を変えるだけで効果絶大です。
ブラウザにすれば閲覧まで数回のタップが必要になり、見るまでの工程が増えますよね。
人は簡単に取り掛かれることほど習慣にしやすいため、これを応用し簡単に取り掛かれないようにします。
まずは一週間だけでも試してみて、SNSを見る回数がどれほど減るかを実感してみてください。
SNSについてよく知る
具体的な方法は前述の通りですが、距離をとる意義やメリットを感じられないと続かないかもしれません。
私たちがひとりのユーザーとして、SNSサービスの利用について自身の頭でよく知り、考え続けることが何よりも大切です。
その取っ掛かりとして、SNSサービスを作成した側の意図は何なのか?どこに危険性や罠が潜んでいるのか?などを把握することが良いでしょう。
そうした題材について書かれた以下のような書籍がおススメです。
さいごに
デジタルデトックスがひとつの流行のようになりつつある今、その重要性を理解しながらも完全にデジタル環境を遠ざけるのは難しいかもしれません。
本稿では、少しだけ距離をとるという取り組みやすい一例を紹介しました。
SNSに限らず、テクノロジーの進化は私たちの生活をより豊かにしてくれますが、負の影響も見極めて活用していくことが重要です。
より充実した生活を送れるよう、一緒に改善を重ねていきましょう!