Notionテンプレートの公開を副業として目指している方。
日本語で作ったテンプレートはほぼ日本人しか使用することはありません。
ですが少しの手間で同じテンプレートの他言語版を作成すれば、海外へと発信することができます。
今は便利なツールが溢れているため、英語を含む他言語が全くできなくても翻訳版の作成が可能です。
海外展開することで、作成したテンプレートが日本に留まらず世界中のユーザーに届き、収益の可能性が格段に広がります。
この記事では、実際に日本語で作成したNotionテンプレートをなるべく簡単に英語対応させる手順について検証してみました。
日本語で作成したNotionテンプレートから、海外展開用の翻訳版を作成する方法
Notionテンプレートを海外に展開すべき理由
まず、Notionという世界でも広く使われているツールを使っていて、そのテンプレート販売を副業にしようとするなら、必ず英語圏を含む海外展開を行うべきだと考えています。
その理由は次の通り。
英語圏のユーザー数は圧倒的に多い
もはや言うまでもありませんが、これが最大の理由です。
英語圏に向けて作成することで、市場規模が数倍に膨れ上がります。
さらにNotionはアメリカ発のツール。
ユーザー数は日本より英語圏の方が何倍も多く、テンプレート市場も圧倒的に大きいです。

実際に筆者もあるテンプレートを日本語版と英語版の二つ作成しどちらも無料公開したところ、内容は全く同じテンプレートなのに英語版の方は10倍以上のダウンロード数でした。
「日本語だけで売る」のは、広大な市場のほんの一部だけを相手にしている状態で、どんなに素晴らしいテンプレートを作っても、市場規模の限界があります。
もちろん英語以外の言語圏を狙うこともできますが、海外展開に向けて必須なのは最もユーザの多い英語でしょう。
英語テンプレートは収益化しやすい
日本ではNotionテンプレートを販売する販路が海外ほど整っていないこともあります。
英語で展開されたテンプレートは、GumroadやNotion公式ギャラリー、Reddit、Product Huntなど、海外の販売プラットフォームやコミュニティで露出が可能です。
無料テンプレートでもダウンロード数が伸びやすく、収益導線に乗せやすくなります。
競合が少ないジャンルもまだまだ狙える
海外ではNotionユーザーが日本単体よりも格段に多いこともあって、英語圏ではすでに多くのテンプレートが出回っています。
ですが、ニッチなテーマや独自視点のものはまだまだ狙う余地が残されています。
さらに、あえて日本発の価値観やライフスタイルを取り入れたテンプレートなどは、海外ユーザーにとって新鮮で魅力的に映るでしょう。
汎用的なテンプレートの内容であっても、日本人ならではの視点を盛り込むことで、海外で広く受け入れられる可能性もあるでしょう。
実際にNotionテンプレートを海外向けに展開する方法を検証
最初から英語で作成したテンプレートであればそのまま公開すればいいだけですが、今回は日本市場向けに日本語で作成したテンプレートを、海外展開に転用する方法を検証しました。
ここではわかりやすいよう、日本語テンプレート→英語テンプレートの翻訳版作成を行なっていきます。(中国語や韓国語版など、他の言語でも同じように作成できます)
今回はこの英語翻訳用に、以下のNotionサンプルテンプレートを用意しました。

※ここで紹介している方法は、2025年3月時点の情報です。
それ以降にサービス側で変更があったり、より良い機能がリリースされる可能性があります。
言語翻訳方法①:Notion AIを使う(要課金)
まずはNotion AIアドオンプランの購入が条件になりますが、このプランで無制限利用ができるようになる「Notion AI」を使ってテンプレートを英語に変換していきます。
(Notion AIは少しなら無料でのトライアル利用も可能。)
Notion AIの機能として実装されている、ページメニューからの「翻訳」を行うことで、ページ全体を見て他の言語に翻訳することができます。

そしてこの機能で英語に翻訳したものがこちらです。

ページタイトルからページ内要素まで翻訳して更新もしてくれましたが、データベースブロックは翻訳してくれません。
どうかデータベースも英語にしてくれないか。ということで良く見てみると、プロパティ追加時のメニューに「AI 翻訳」というのがあります。

これだと思い「AI 翻訳」をクリックし、翻訳するプロパティを選択。

そしてプロパティを追加すると、こんな感じになりました。

確かに翻訳はしてるけど、そうじゃないんだよな、という感じです。
他にも色々試行しましたが、Notion AIでデータベースを丸ごと英訳する理想的な方法は見つからず。
調べてみるとどうやらNotion AIでは、データベースには複雑な構造やリレーションが含まれているため、技術的に既存プロパティの翻訳が難しいようです。
(無理やり翻訳するとデータ構造が壊れてしまう可能性があるので、避けている)
Notion AIを使えば、Notion純正の生成AIだけあって翻訳してページそのものの更新までやってくれますが、データベースなど技術的に難しい領域があるようです。
Notion AIを使った方法をまとめると
メリット
- ページタイトル含むすべての領域をみて翻訳し、さらに更新までしてくれる
- データベースなど翻訳対象外ブロックがなければ一発翻訳が可能なため、最速
デメリット
- データベースは翻訳対象外。編集は手動で行う必要がありそう
- そもそもNotion AIはアドオンプランに加入してないと無制限利用できない
言語翻訳方法②:ChatGPTのアプリ連携で翻訳する(要課金)
次にChatGPTを使った方法です。
ChatGPTはPlusプラン以上に加入していれば、アプリ連携機能が使えます。

マウス矢印のようなアイコンをクリックするとアプリ連携ができるため、そこでNotionを選択すると、画像のようにNotionで今表示しているサンプルページ、「睡眠記録」をChatGPTが確認できているマークが表示されます。
ここで一言、「このページの日本語をすべて英語に翻訳して。」と言います。
そして返ってきたChatGPTの回答がこちら。

Notionページに見えている日本語要素を、データベースも含めすべて英訳してくれました。
ChatGPTは汎用性も高いので、ただ翻訳するだけでなく「英語圏でもフォーマルな表現にして」「翻訳のついでに”睡眠のコツ”に要素を追加して」なんてことも指示することができます。
しかしChatGPTアプリからNotionページの中身を見ることはできても、ページの編集はできないため、ChatGPTによって英訳された文をコピペする必要があります。
これは簡単なページなら簡単にコピペできるのでいいですが、よく作り込まれたブロック要素の多いページだとかなり手間になってしまいます。
ChatGPTを使った方法をまとめると
メリット
- ページ内の全ての日本語を、制限なく英訳することができる
- 単純な英訳だけでなく、細かく柔軟な指示が可能
デメリット
- 直接Notionページを編集できないため、英訳を手動でコピペする必要がある
- ChatGPTとNotionのアプリ連携は、ChatGPT Plusプラン以上への加入が必要
言語翻訳方法③:Chrome拡張機能を使う(無料)
前述の①と②の方法はいずれもNotionかChatGPTの有料サブスクに加入する必要があったため、こちらは無料で行う方法です。
Googleの拡張機能で、DeepLを使います。
このやり方の場合、NotionをデスクトップアプリでなくGoogle Chromeブラウザで開く必要があります。
まずはこちらからDeepLのChrome拡張機能をダウンロードし、拡張機能をオンにします。
そしてChromeでNotionの翻訳したいページを開き、日本語を選択すると「翻訳」ができるようになります。
ブラウザの右側にはテキスト入力で翻訳ができるウィンドウも表示されました。



拡張機能とNotionの相性もあり、これで上手くポチッと英語に置き換えられれば楽でしたが、Notionページに英訳文がただ挿入されるだけになりました。
これでは手動での調整が必要です。しかし英訳はしてくれました。

しかしDBプロパティは文字選択しても翻訳ができず、右側の入力ウィンドウでやる必要がありそう。

このChrome拡張機能の方法は少し手間とクセがありますが、それでも一文ずつGoogle翻訳などにコピペを繰り返すよりは断然楽かと思います。
単純に翻訳版にするだけのスピードで言えばChatGPTの方法より慣れれば早いかもしれません。
Chrome拡張機能の方法をまとめると
メリット
- 無料で翻訳が可能。
デメリット
- Chromeブラウザで実施する必要がある
- 翻訳していく作業に少しクセがある
以上、テンプレートページの翻訳版を作成する方法を3つ検証し紹介しました。
おそらくもっと効率的な方法は存在すると思いますが、まずやってみたいと思った方はこれらの方法も試してみてください。
海外展開する上で考慮すべき点
実際に海外向けテンプレートを作成する際、単に英訳するだけでなく、その他に考慮すべき点があります。
日付の表示形式が異なるため注意
日本では日付表示は「2025/3/25」や「2025年3月25日」、「2025-03-25」などの型がありますが、いずれも「年→月→日」の順です。
しかし海外ではこの順が異なり、「月→日→年」や「日→月→年」を標準形式として採用する国も多く、
例えばアメリカでは「月→日→年」で「03/26/2025」や「March 26, 2025」、ヨーロッパでは「日→月→年」で「26/03/2025」などが一般的に使われていたりします。
そのため、Notionテンプレートの日付表示を日本型に固定しないよう考慮が必要です。
特定の国をターゲットに公開する場合はその国の日付表示形式にします。
ただし、データベースブロックで「日付」プロパティを扱う場合、日付形式を「完全な日付」に設定しておけば、ユーザーのローカル設定に沿った日付表示を自動でしてくれるため、その方が無難かもしれません。
通貨や距離、重さの単位表示
続いて、各国で使われるあらゆる単位の考慮です。
通貨が「¥」でないのはもちろん、「kg(キログラム)」や「km(キロメートル)」も、国によっては「Ib(ポンド)」や「mi(マイル)」が主流であったりもするため、公開するターゲット国の単位事情を調べて反映しましょう。
特にターゲット国を定めない場合は、英語ならアメリカに合わせてしまうか、国際単位系に合わせてしまうのもいいでしょう。
そもそも文化的な違いがないかを確認する
こちらはテンプレートの内容によりますが、そもそもの文化的な違いがあるかどうかを事前に確認する必要があります。
例えば日本語版として「キャンプ記録」というNotionテンプレートを作成し、これまで訪れたキャンプ場の料金や評価などを記録できるテンプレートを作成したとします。
このテンプレートを海外向けに翻訳版を作成し公開したいという場合、そもそも”キャンプ”の概念が日本と海外では同じなのかを確認する必要があります。
実際に調べてみると、
- 日本のキャンプ:設備の整った有料キャンプ場で、一泊するというのが最も一般的な”キャンプ”
- アメリカのキャンプ:トイレや炊事場などは無い、完全な自然の中で野営する(もちろん無料)バックカントリーキャンプや、キャンピングカーの中で数日〜数週間を過ごすRVキャンプも一般的な”キャンプ”
という前提からして全然違うということもよくあります。

これは実際に筆者が作成しようとした実体験になります。
この場合はあまりにも日本とアメリカでキャンプ概念が異なっていたため、海外向けテンプレートの作成は諦めました。
この例の場合、そもそも「キャンプ記録」のテンプレートにある「料金」というプロパティ自体がほぼ無意味。
つまり日本文化に基づいたテンプレートをただ翻訳版として公開しても、海外では役に立たないことがありえます。
こういう場合は、海外文化をよく理解した上で作り込むか、そもそも文化的に大きな差はない分野のみを海外向けとして絞り作成するのがいいでしょう。
オススメの海外版作成方法はChatGPT
先述のChatGPTを使った海外版テンプレートの作成方法なら、海外版作成時に考慮すべき点も事前にChatGPTに指示することができます。
例えば指示プロンプトに、かなりざっくりした例ですが
テンプレートを海外ユーザーが利用可能なように、日本語をすべて英訳して。
ただしテンプレート内の日付や単位の標準形式がアメリカと異なっている場合は、アメリカに合わせて修正し、そもそもテンプレートの利用背景に文化的な違いがあれば指摘して。
というような書き方をすればChatGPTはそれに従って出力をしてくれます。
もちろんChatGPTの出力の真偽はちゃんと確認する必要がありますが、これで大部分をカバーできます。
ChatGPTはデータベースブロックの他言語翻訳も問題なく行えるため、筆者としては最もオススメできる方法です。
まとめ
Notionテンプレートを海外展開用に日本語の翻訳版を作成する方法を検証してきましたが、いかがだったでしょうか。
おそらくより効率の良い方法があるかもしれませんし、今後そうした機能がリリースされる可能性は十分にあります。
すでに「こんな方法があるよ」というものをご存知の方は、問い合わせフォームより教えていただけるとありがたいです。
テンプレートの海外展開はNotion副業を加速させる重要なエンジン。
まだ日本向けだけに公開している、という方は是非海外展開にトライしてみましょう。
この記事が貴方のお役に立てば幸いです。