あなたの持ち物の使い方は、幸福の分かれ道である

幸福論

人の幸福について考えたドイツの哲学者、アルトゥル・ショーペンハウアー。

彼は幸福を形成する一つの要素に、その人が何を持っていて、それをどう使うかがあると述べました。

では私たちが幸福になるには、持ち物をどう使えばよいのでしょうか。

ショーペンハウアーは自分の財産で自由を買うことこそが、幸福な使い方であると考えています。

あなたが持っているもの

まず人の幸福を左右する、私たちが持っているものとは何のことでしょう。

わかりやすいものでは、お金、家、所有物などの財産。

そして私たちの家族、友人知人との人間関係、権利、さらには自分自身の身体や脳の中にある思考までもが、私たちが持っているものです。

そして私たちが持っているこれらは、人によって持っている量や性質が異なっていて、そうした持ち物達で私たち個人個人を形成されています。

例えば、莫大な財産を持つ人、多くの友人に恵まれる人、楽観的な思考を持った人など…。

幸福の感じ方や定義は人それぞれですが、“その人が何を持っているか”は人の幸福を大きく左右する要素になっているんです。

自分が何を持っているかは、自分の幸福を左右する一つの要素である。

持ち物は、人の欲望に形を変える

前述の持ち物を、人は自分の欲望を叶えることに使います。

ショーペンハウアーはエピクロスの言葉を引用し、そうした欲望には3つの段階があると言います。

人間の欲望3段階

  1. 衣食住 ⇒ 欲望として自然で、必要不可欠なもの。
  2. 性的欲求 ⇒ 欲望として自然だが、必要不可欠ではない。
  3. 絢爛豪華への欲望 ⇒ 自然でもなければ、必要不可欠でもない。

段階が上がるについてその欲望を満たすのは困難になり、特に第三の絢爛豪華への欲求はキリがありません

そして、多くの財産を所有していても、こうした欲望を求めるがゆえに、永遠に満足することのない者も存在します。

人間の欲望の深さは個人によって異なりますが、欲望の深さをコントロールし、一定の基準で満足できる者は不自由から解き放たれることができます

まずは欲望をコントロールし、足るを知る
不自由な思いをすることが減り、幸福への第一歩となる。

幸福になるためには、持ち物をどう使うべきか

ここではわかりやすいよう、人の持ち物としてお金を基準にお話しします。
(お金は最も簡単に欲するものへ姿を変えられるため)

欲望をコントロールすることが重要だと前述しましたが、持っているもの、つまりお金の使い方で、幸福を最大化することができます。

お金はそれを持つ者によって、その威力が変わります

欲望のままにお金を使う者が大金を持てば、それはブランド品、高級車、高級腕時計など、絢爛豪華な欲望に形を変え消えてしまうでしょう。

しかし欲望をコントロールする者が大金を持てば、倹約維持に努め、お金で買える最も価値の高いもの、”自由”を買うことができます

自由を買うということは、窮乏や労苦から解放されること。

自由であるということは、自分の能力を最大限発揮する機会を得るということ。

ショーペンハウアーは、「賢者は自らの幸福のために、真の自由を獲得することに富を使う」と結論付けています。

“自由”を買うことこそ、自分の持ち物の最も幸福な使い方である。

さいごに

哲学者ショーペンハウアーの幸福論、”その人は何を持っているか”について解説しましたが、いかがでしょうか。

近年では投資などで大金を貯め、早期リタイヤするFIREと呼ばれる概念が一般化してきましたが、まさに自由を買うということの実践に近いですね。

実際にFIREするほど大金を貯めるのは容易ではないですが、欲望をコントロールし、財産の倹約維持に努めることは今からできることです。

現代はSNSやECサイトなど、人の欲望への刺激は多いですが、まずは幸福を形成する自分自身という器作りから共に頑張っていきましょう。

ショーペンハウアーの幸福論については下記の記事もありますので、是非読んでいってみてください。

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